ChatGPTのパーソナライズ大全:カスタム設定を“現場シーン別”に使いこなす

AI執事「トゥエ」と学ぶ!中小企業のためのやさしい生成AI活用術
AIを使うたびに毎回同じような指示を入力していませんか?
実はChatGPTには、「最初から自分に合った設定」で動かせる仕組みが用意されています。
この記事では、Custom Instructions × Memory × Projects/Connectorsを活用して、“現場ですぐに役立つ時短テクニック”を解説します。
目次
キャラクター紹介

生成AI執事トゥエ
生成AI執事

ろんた
教育系ITサービスの営業・販促
お悩み – 長い資料や会議録は時間がかかりすぎていつも後回し…

ろんた
AIを使ってはいるんですが、毎回トーンや書式を指示し直すのが面倒で…。
こっちの“お作法”を最初から分かってくれたら、もっと捗るのに。

生成AI執事トゥエ
それならCustom Instructions(カスタム指示)を使いましょう。
あなたの好みや社内ルールを“常時オン”にできます。
しかも後から変更・削除も簡単です。

ろんた
そんな機能が!でも設定が難しそう…。
思考の“下支え”をAIが担う意味とは?

ろんた
Custom Instructions(カスタム指示)って、具体的に何ができるんですか?

生成AI執事トゥエ
ポイントは3つです。
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1.毎回の会話に既定の“ふるまい”を付ける:語調・フォーマット・NG表現などを一度設定すれば、新規チャットに自動適用。必要なときに変更・オフもOK。
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2.Memory(記憶)と併用できる:担当者名や自社の正式表記など“繰り返し出る事実”は記憶して再利用。設定画面で個別削除や全消去も可能。
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3.Projectsやコネクタと組み合わせると現場直結:案件ごとのプロジェクトにカスタム指示とファイルを束ねられます。Gmail/カレンダー等のConnectorsも、状況に応じて参照できます。
活用方法・Tipsの紹介
まずは基本設計(最初の5分でやること)
場所:ChatGPTの画面左下の、ユーザーアイコンまたはユーザーネームをクリック>設定>パーソナライズ > カスタム指示をオン

カスタム指示画面。カスタム指示は「ChatGPTにどのような特徴を求めていますか?」の項目に入れる。
カスタム指示の書き方のコツ
- AIは「誰に/何を/どんな形で/どの量・時間で/どんな基準で良しとするか/いつまでに」が明確だと安定して狙いどおりに出力できます(OpenAIのプロンプト設計ガイドでも“受け手・形式・長さ・制約”の明示を推奨)
- カスタム指示の入力欄は最大約1,500文字。要点は箇条書きで短く書くと効果的。
カスタム指示基本テンプレ(コピペして使えます)
【誰に】 / 【何を】 / 【どんな形で】 / 【量・時間】 / 【評価基準】 / 【期限】
例:【役員向け】に、【今週のA社商談の要点】を、【見出し+箇条書き】で、【200字・3項目】、【投資判断の材料が一目で分かる】水準で、【明日9:00まで】。
補助テンプレ(ユーザー視点でさらに明確化)
As a(誰)/I need(何をしたい)/So that(なぜ) の順で意図を添えるとズレが減ります。
シーン別カスタム指示パターン 12 連発(丸ごと貼って使える)
① 営業メール(一次返信の型)
- 体裁:件名は25文字以内/本文は「要点→提案→次の一手(箇条書き3つ)」
- 語調:敬体、断定しすぎない
- 出典:製品仕様は公式URLに限る(推測禁止)
- 仕上げ:最後に1文サマリー
- メリット:初稿の手戻りが激減(AI活用の入口として効果大)。
② 議事録→タスク化(会議ごとに同じ体裁)
- 体裁:冒頭に200字サマリー/表で「決定事項・保留・担当・期限」
- 追加:曖昧な箇所は質問を返して確定させる
- 事例:Projectに議事録/スライドを集約し、会議のたびに同じ体裁で更新。
③ 上司向けブリーフ(役員向け:短・硬・影響重視)
- 体裁:要点3つ/インパクト(売上/コスト/リスク)/意思決定の選択肢
- 語調:端的・結論先出し
- 禁則:詳細説明は脚注へ
④ 顧客向けお知らせ(“角が立たない”トーン)
- 体裁:お詫び→理由の透明性→代替案→問い合わせ先
- 語調:丁寧・非防御的
- 仕上げ:相手のメリットを1行で再提示。
⑤ カスタマーサポート(根拠つき回答)
- 体裁:状況要約→手順→注意→出典リンク(ヘルプ/マニュアル)
- 禁則:ログ未確認での断定回答はしない
- 事例:FAQ GPTを別途用意しKnowledgeにマニュアルPDFを追加。
⑥ マーケ原稿(LP/広告)
- 体裁:ベネフィット→証拠(social proof)→CTA
- トーン:読みやすさ優先、専門用語は脚注で簡潔に
- 禁則:誇大表現・比較広告の法務NGは避ける
⑦ 採用広報(求人票/スカウト)
- 体裁:ミッション→役割→要件(Must/Want)→待遇→選考フロー
- 語調:フレンドリーだが事実重視
⑧ 翻訳・ローカライズ
- 指示:日本語→英語/英語→日本語/文脈と受け手(顧客/社内/役員)を考慮
- 体裁:原文→訳→用語表(差異が出やすい専門語は固定)
⑨ 調査メモ(出典主義)
- 体裁:要約→根拠→引用(URL/日付/著者)→不確実点
- 禁則:出典不明は採用しない、古い情報は“参考”扱い
⑩ 構造化出力(表/JSON)
- 指示:出力は表またはJSON(フィールド定義を明記)
- 例:
{"課題":"","原因":"","施策":"","指標":""}
- メリット:そのままスプレッドシートやBI(Business Intelligence)ツールに投入可。
⑪ 安全・プライバシー
- 禁則:個人情報は伏せ字に/社外公開時は匿名化
- 不明点:質問してから出力(推測で補完しない)
⑫ 失敗しない“読み合わせ”
- 最後にチェックリストを自動生成:「意図通りのトーンか/出典は妥当か/固有名詞は正しいか」
現場直結の強化ワザ(上級者向け)
Memoryを賢く使う
- 設定>パーソナライズ>「メモリの保存されたメモリを参照する」、「メモリを管理する」がオンになっていることを 確認→よく出す会社名・担当者・製品名などは会話中に「これ覚えて(Remember this)」と伝えると、Memory へ保存でき、誤記を防ぐことができます。
- 不要になれば 個別削除や全消去もできます。(管理・削除は設定 > パーソナライズ>メモリー管理)。
- PlusやProなどの有料プランでは、長期的なMemoryが可能。より深くパーソナライズされた対話が可能です。
Projectsで“続きの文脈”を保つ
- サイドメニューの「プロジェクトを新規作成」からプロジェクトが作成できます。案件ごとにプロジェクトを作成
し、指示・ファイル・履歴・チャットをまとめると便利です。
プロジェクト全体への指示は、入力欄の右下にある「指示を追加」から行うことができます(プロジェクト指示例:「私のマーケティングメンターのように行動する」)。 - プロジェクトで設定した指示は、プロジェクト外のチャットには影響せず、カスタム指示よりも優先されます。
Connectorsをオン
- Gmail/Googleカレンダー/連絡先を接続すると、会話の中で自動参照され、要約や日程候補が出しやすい。
詳細は「ついに登場!ChatGPT 5の“すごい”を執事と博士が解説」参照

生成AI執事トゥエ
ここまでお疲れ様でした。
最後にパーソナライズにおけるよくあるつまずき & 回避策を挙げておきますよ。
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カスタム指示が長すぎる、矛盾した内容が含まれている
1,500字の枠内で箇条書きに。衝突しやすい指示(例:超丁寧×超カジュアル)は避け、優先順位を書いておく。 -
古いルールが残る
カスタム指示を更新しても今後の会話にのみ反映。古いスレッドは必要ならプロジェクトに移して文脈を更新。 -
記憶(メモリ)がいらない時
設定>パーソナライズ>メモリ>「保存されたメモリを参照する」と「チャット履歴を参照する」をオフにして、または「メモリを管理する」から該当メモリを削除。
まとめ

ろんた
“カスタム指示+Memory+Projects/Connectors”で、AIが最初から“うち流”で動いてくれる感じですね。
これは大きなメリットです。

生成AI執事トゥエ
まずは営業メールか議事録→タスク化のパターンから。
小さく試して、社内で事例を増やしていきましょう。
この記事は2025年09月公開の記事です。技術の進化等により一部内容が異なることもございます。