AIが「最強の評価者」に?公平で納得の人事評価を実現する(連載:第2回運用編)

Twelfth=12番目
AI執事「トゥエ」と学ぶ!中小企業のためのやさしい生成AI活用術
2025.10.01

第2回は、AI人事評価の第一歩は「データ」にあり。今日から始められるデータの集め方と、具体的なツール活用法を解説します。

キャラクター紹介

生成AI執事トゥエ

生成AI執事

優しく、好奇心旺盛に成長する「学習型」執事。博士がトゥエに与えた最大のミッションが「人間を理解すること」

みら社長

3店舗の美容室オーナー

相模原市内にコンセプトの異なる美容室を展開。経営者としてまた現役のトップスタイリストとして日々経営に向き合っている。

お悩み –社員が人事評価や評価基準が曖昧だと感じているみたいで…

みら社長

トゥエ、AI人事評価が気になってきたわ!でも、AIに読み込ませるようなデータなんて、うちの店にはないんじゃないかしら?大企業みたいに複雑なシステムも使っていないし…

生成AI執事トゥエ

ご安心ください。AI人事評価に必要なデータは、すでに身近なところに存在しています。
高価なシステムを導入しなくても、今お使いのツールからデータを集めることができますよ。
第2回:運用編では、お店に眠っている「宝のデータ」を見つけ出すことから始めましょう。

活用方法・Tips:AI人事評価の第一歩は「データ」にあり。AI活用法を4つご紹介します。

生成AI執事トゥエ

AIは、どんなに高性能でも『良いデータ』がなければ力を発揮できません。
しかし、多くの美容院では、売上データや予約記録、顧客アンケートなど、すでに多くのデータが日々蓄積されています。これらは全て、AI人事評価の基盤となる貴重な情報です。

まずは、これらのデータを正しく集め、活用する仕組みを整えましょう。それが、AI人事評価の最初の一歩です。

みら社長

そうだったのね!予約管理システムやPOSレジのデータなら、うちにもあるわ!
でも、それをどうやって評価に結びつければいいのか、いまいちピンとこなくて…。

生成AI執事トゥエ

そのためにAIがいるのです。

AIが様々なデータを統合・分析することで、これまで見えなかったスタッフの貢献度や課題を可視化します。これにより、オーナー様は勘や経験に頼るだけでなく、データに基づいた公正な評価が可能になります。
この透明性こそが、スタッフの信頼を築き、自発的な成長を促す鍵となります。

事例1|既存システムのデータを活用する

多くの美容院が利用しているPOSシステムや予約管理システムには、売上、顧客単価、指名客数、リピート率といった、個人別のKPIに直結するデータがすでに記録されています。
これらのデータをCSVなどでエクスポートし、AIツールや表計算ソフトに取り込むことで、簡単にKPIを可視化できます。

Step1:POSシステムの管理画面にログインします。
Step2:管理画面内のメニューから「レポート」「売上データ」「顧客管理」「データ出力」「エクスポート」といった項目を探します。
Step3:データ出力画面に移動したら、以下の条件を設定します。
 形式の指定: 「CSV(カンマ区切り)」を選択します。AIツールに読み込ませる際はCSVが最も一般的です。
 期間の指定: 「年間のデータ」が必要なので、「2024年1月1日〜2024年12月31日」のように期間を指定します。
 データの種類: 今回の目的である「顧客名」「来店日」「担当スタイリスト」「支払金額」が含まれる売上履歴や施術履歴のデータを選択します。
Step4:条件を設定し終えたら、「エクスポート」や「ダウンロード」ボタンをクリックします。
Step5:CSVファイルは、表計算ソフト(ExcelやGoogleスプレッドシート)で開いて中身を確認・編集できます。
 AIに読み込ませる際は、不要な個人情報(電話番号など)を削除し、分析に必要な項目だけを残すように整理します。
Step6:NotebookLMに、CVSファイルを読み込ませます。

これで、評価を行うためのナレッジベースが作成できます。

事例2|日常の業務ログ、SNS投稿を活用する

見えにくい頑張りを評価するためには、日常の業務ログ、SNS投稿が役立ちます。LINEやSlackといった社内チャットツールでの情報共有回数や技術的な質問への回答数も、ログデータとして抽出できます。

また、SNS投稿回数や「いいね」数、コメント数なども、集客への貢献度として評価に含めることができます。

Hot Pepper Beauty(以下、HPB)からのSNSデータ抽出と分析方法

HPBの投稿データは、HPBの管理画面から直接ダウンロードすることは基本的にできませんが(2025年9月現在)、HPBの管理画面(サロンボードなど)には、投稿ごとの閲覧数や「いいね」数が表示される機能があります。AIに読み込ませるには、これらのデータを手動で集計・入力する必要があります。

Step1:HPBの管理画面にログインします。
Step2:ブログやスタイル投稿の管理ページに移動します。
Step3:投稿ごとのデータを集計します。
 投稿数が多ければ良いというわけではないので、「投稿数」「閲覧数」「いいね数」の3つのデータを必ずセットで記録しましょう。
 これにより、どの投稿が顧客の興味を引いたのか、数値で把握できます。

取得したデータをNotebookLMに読み込ませることで、以下の観点から具体的なアドバイスや評価指標を導き出せます。

投稿の質の評価: 「〇〇さんの投稿は投稿数は少ないものの、平均『いいね』数が他スタッフの〇倍です。特に『〇〇』といったキーワードが含まれる投稿は、高い顧客評価を得ています。」
集客貢献度の分析: 「SNS投稿から予約に繋がった新規顧客のデータと照合した結果、〇〇さんの投稿が新規顧客獲得に最も貢献していることが分かりました。」
改善点の提案: 「〇〇さんの投稿は閲覧数が伸び悩んでいます。これは、投稿時間が顧客の活動時間帯とずれていることが原因です。今後は、予約が少ない夕方の時間帯に投稿を試みましょう。」

このように、単に「投稿数」だけでなく「顧客評価」の視点からデータを分析することで、スタッフのSNS活用能力を公正に評価し、お店全体の集客力向上に繋げることが可能です。

事例3|顧客アンケートをデータ化する

施術後の顧客満足度や接客評価を測るために、Googleフォームやアンケートツールを利用する方法を提案します。これらのツールで得られたデータは、自動的にスプレッドシートに蓄積されるため、リアルタイムで顧客満足度をKPIとして管理できます。

事例4|過去の人事データを活用する

これまでの人事評価シートや研修履歴、スキル情報などをデジタル化することも重要です。

これらのデータは、AIがキャリアパスを提示する際の貴重な情報源となります。AIはこれらのデータから、各スタッフの成長過程や隠れた強みを発見し、未来に向けた最適なアドバイスを生成します。

まとめ

みら社長

なるほど!AIって、特別なことじゃなく、今あるものを活かすことから始められるのね。
これなら、うちの店でもすぐに始められそうだわ!まずは、データの整理から始めてみるわ!

生成AI執事トゥエ

その通りです。AIはデジタル時代における人事評価の強力な羅針盤です。AIと共に、スタッフの信頼とエンゲージメントを高める新しい人事評価の形を創造していきましょう。ただし、AIはあくまでツールであり、人事評価で最も重要なのは、いつの時代も変わらない評価の透明性と信頼関係です。

次回は、実際の評価とフィードバックについて、AIを活用した事例について一緒に学んで行きましょう。

第1回:準備編
第2回:運用編
第3回:評価とフィードバック編

この記事は2025年10月公開の記事です。技術の進化等により一部内容が異なることもございます。

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