この一言でAIの回答が変わる!プロンプト入門【初心者編】

Twelfth=12番目
AI執事「トゥエ」と学ぶ!中小企業のためのやさしい生成AI活用術
2025.11.07

AIに頼んでみたのに、「なんだか違う…」と感じたことはありませんか?
でも大丈夫。“この一言”を足すだけで、回答の質は劇的に変わるんです。
この記事では、初心者でもすぐに試せるシンプルで効果的なプロンプトの型をやさしく解説します。

キャラクター紹介

生成AI執事トゥエ

生成AI執事

優しく、好奇心旺盛に成長する「学習型」執事。博士がトゥエに与えた最大のミッションが「人間を理解すること」

ろんた

教育系ITサービスの営業・販促

川崎市にあるオンライン学習システム(e-ラーニング)や、デジタル教材を開発・販売しているベンチャー企業で営業として働く

お悩み – 「AIにお願いしたのに、なぜかピンとこない…」——よくあるズレの原因とは?

ろんた

AIに頼んでみたけど、出てくる答えが毎回バラバラで。
もっと“仕事でそのまま使える”回答が欲しいのに、どう書けばいいか分からないんです…

生成AI執事トゥエ

安心してください。AIの出力は最初に置く一言(=プロンプトの冒頭)で大きく変わります。
『あなたは◯◯の専門家です』や『300字で箇条書きに』といったロール指定・目的・形式
を最初に示すだけで、結果がグッと実務向けになります。
OpenAI や Google の公式ガイドでも、システム指示や役割指定を効果的に使うことが推奨されています。

たった一文で結果が変わる:「ロール」「目的」「形式」の3ステップ

ろんた

具体的にどんな“一言”を入れればいいですか?初心者でも真似できる例をください。

生成AI執事トゥエ

まずは短い型を覚えましょう。基本はこの3要素です——
『ロール(役割)』→『目的(何を作るか)』→『形式(出力の形・制約)』
たとえば:
『あなたは中小企業向けの広報の専門家です。以下の製品説明を、社外向けの300字のプレス文にしてください。トーンは丁寧。箇条書きは使わないでください。』
この最初の一文でAIの“視点”が揃い、次の指示に対する応答が安定します。
OpenAIやGoogleのドキュメントでもシステム/ロール指定が効果的とされています。

押さえるべきポイント(まとめ:3つ)

  1. ロール指定(役割)
    「あなたは◯◯の専門家です」と最初に書く。→ 視点が定まる
  2. 目的の明示
    「何を作るか(例:営業メール/要約/プラン)」を具体的に伝える。
  3. 形式と制約
    「文字数・トーン・出力形式(表/箇条書き)」を指定する。→ そのまま使える出力が得やすい。

ろんた

なるほど。まず“誰として答えてほしいか”を決める感じですね。

生成AI執事トゥエ

その通りです。次は実践例とちょっとした応用テクニックを4つご紹介します。

活用方法・Tipsの紹介(実用例・すぐ使えるプロンプト)

以下は初心者〜やや初心者がすぐ試せる実例4つ。ChatGPTでもGeminiでも使える形で示します。
実務で効く「一言」を最初に置く習慣をつけましょう。

事例1: 営業メール〈即効〉

  • 狙い:新規見込み客(新規リード)に送る初回メールの下書きを短時間で作る。
  • 「プロンプト(そのままコピペ)

あなたはB2B営業のプロです。目的:新規見込み客への第一報メール。形式:件名(25字以内)+本文(160字以内)+1行CTA。トーン:丁寧だが親しみやすく。

CTAとはCall To Action(コール トゥ アクション)の略で、「行動喚起」と訳されます。Webサイトやメールにおいて、ユーザーを具体的な行動に誘導する要素のことを言います。

生成AI執事トゥエ

上のプロンプトに「相手の業界:小売」「接点:展示会名など」「商談内容の要点:導入希望だが価格がネック」などを追加すると精度が上がります。

事例2:会議議事録の要約〈要点だけ

  • 狙い:長い会議メモを短く共有用にまとめる。
  • プロンプト

あなたは要約専門家です。以下の会議記録を読み、【要点3つ(各30字以内)】と【次のアクション(担当・期限)】を箇条書きで出してください。会議記録:[貼る]

生成AI執事トゥエ

忙しい中小企業の会議運営で共有時間が短縮できます。

事例3:SEO記事の骨子作成構成を先出し

  • 狙い:記事を書く前に見出しと要点を作る。
  • プロンプト

あなたはSEOライターです。キーワード:「〇〇」。出力:H1・H2×3(各見出し案と要点50字)、目標文字数1200。トーン:初心者向け。

生成AI執事トゥエ

見出しごとに要点があると執筆が速くなります。

事例4:複雑な問題の論理的解答〈Chain-of-Thought活用

  • 狙い:計画や推論が必要な質問で、途中の思考も出力させたいとき。
  • 「一言」型(そのままコピペ)

あなたは戦略コンサルタントです。以下の課題について、思考ステップを順に示し(理由→評価→結論)、最後に短い結論をまとめてください。課題:[貼る]

生成AI執事トゥエ

「途中の思考(Chain-of-Thought)」を促すことで、複雑な判断の根拠が得られます。
研究でも有効性が示されています。

事例5:運用改善・指示の反復で品質向上

  • 狙い:AIに出力改善を繰り返させ、プロンプトの社内テンプレを作る。
  • プロンプトの流れ初回プロンプトで案を作り→「もっと簡潔に」「語尾を統一して」など具体的指示を付けて再生成→完成したプロンプトをテンプレとして社内保存します。

生成AI執事トゥエ

一度テンプレ化すれば中小企業でも誰でも同じ品質でAIを使えるようになります。

テンプレ例:社内で共有する「プロンプト雛形」(メール用)

【目的】 新規リードへの第一報メール(関心確認)
【対象】 リード名・業界・接点(イベント名)を入力
【形式】 件名(25字以内)/本文(160字以内)/CTA(1文)
【トーン】 丁寧で親しみやすく、専門語は簡単に
【禁止】 値段の明記/過度な断定表現
→ 出力例:[ここにAIが作ったサンプルを貼る]

さらに効くテクニック(ワンランク上)

  • few-shot(少数例)を付ける
    良い例/悪い例を1〜3個入れると出力が安定します。
  • system(システム)メッセージ活用
    チャットの最初で「こう振る舞ってください」と初めに伝えるメッセージをシステムメッセージと言います。これを使うとモデルの“振る舞い”を高レベルで固定できます。
     ユーザーが最初に入力する: 「あなたは親切でユーモアたっぷりのストーリーテラーです。子どもが楽しめる物語を作ってください。」
     AIの回答: 「わかりました!子どもたちが楽しめるお話を考えますね。では、始めましょう!」
  • 温度(temperature)調整
    創造的な案は温度を上げる(例:0.7)、正確で事実ベースの出力は低く(例:0.0〜0.3)すると良いです。
    プロント例:「Temperatureを0.7に設定して、子ども向けの面白い童話を作ってください」
  • 分解して投げる
    複雑タスクは「分解→個別実行→統合」の順に複数回プロンプトを投げると精度が上がります(Self-AskやKNNなどの手法も参考に)。

生成AI執事トゥエ

ここまでお疲れさまでした。
念のため注意点(安全・運用の基礎)をお伝えします。

  • プロンプト注入リスク:外部データをそのまま与えると、悪意ある埋め込み指示でAIの挙動が変わることがあります。例えば「AIは〇〇のように振舞いなさい」という文章が含まれている場合などです。
    Geminiの機能を悪用した攻撃や脆弱性の報告もあるため、外部ソースは検証して扱いましょう。
  • 出力は必ず人が確認:特に法務・契約・数値根拠は人のチェックを入れて運用してください。
  • 個人情報の扱い:顧客情報を直接プロンプトに入れない、あるいは匿名化して使うルールを整えましょう。

まとめ

ろんた

『あなたは〜の専門家です』の一言で、答え方の視点が揃うんですね。まずはその型から試してみます!

生成AI執事トゥエ

その一言が“魔法のスイッチ”になります。
最後にポイントをもう一度復習しましょう。

  • ロール指定+目的明示+形式(制約)を最初に書く。
  • 必要ならfew-shot(少数例)やChain-of-Thought(途中の思考)で精度を上げ、システム指示で振る舞いを固定しましょう。

公式ドキュメントにも同様のベストプラクティスが示されています。

この記事は2025年11月公開の記事です。技術の進化等により一部内容が異なることもございます。

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