営業資料をA4両面チラシへ。生成AIと一緒にデザインから入稿まで進めてみた
生成AIを活用し中小企業の課題解決に伴走するパートナー
営業資料を、そのまま縮めてチラシにはしない
今回のスタート地点は、すでに完成していた17ページのモニター募集用営業資料でした。
ただし、営業資料をA4にそのまま押し込むと、情報が多すぎて読みづらくなります。そこで最初に生成AIへお願いしたのは「デザイン」ではなく、「A4両面にするなら何を残し、何を削るか」という情報の再編集でした。
ここが今回の大事なポイントです。生成AIにいきなり「デザイン」を作らせるのではなく、まず媒体に合わせて情報構造を組み替えるところから始めました。
STEP 1|まずは構成案を複数つくる
営業資料を読み込ませたうえで、A4表裏に落とし込む構成を複数提案してもらいました。最初に比較したのは、サービス全体をバランスよく見せる「王道バランス型」と、企業のお悩みを入口にする「お悩み訴求型」です。
最初に生成AIへ伝えたイメージ
「17ページの営業資料を、A4両面チラシとして再構成したい」
「表面は興味を持ってもらうことを優先し、裏面で詳しく説明する」
「まず2〜3パターンの構成案を出して比較したい」
この段階では見た目よりも、「表を見ただけで何のチラシか分かるか」「裏面を読めば具体的な内容まで理解できるか」を重視しました。
STEP 2|構成が決まってから、デザインへ進む
構成の方向性が決まった後、初めてデザイン生成へ進みました。ここでも一発で完成を狙うのではなく、まずはラフを出し、そこから少しずつTwelfthのデザインへ寄せています。
既存のWebサイトや営業資料の雰囲気を基準に、白を多く使うこと、グリーンはアクセントにとどめること、斜線モチーフを使うこと、情報量が多い部分でも圧迫感を出さないことなどを伝えました。
最初のラフを見て、人間側で「違う」を決める
生成AIは、こちらが言葉にできていない部分までそれらしく補ってくれます。一方で、その補い方がブランドに合っているとは限りません。
たとえば、背景が少し派手だったり、下半分の情報量が多く見えたり、AIが新しく描いたキャラクターが既存キャラクターと微妙に違っていたりしました。そこで「どこが違うのか」を人間側で判断し、修正指示に変えていきます。
STEP 3|ブランド素材は生成し直さず、正式データを渡す
デザインを進める途中で特に重要だったのが、ロゴやキャラクターの扱いです。生成AIに似たキャラクターを描かせると、一見近くても細部が変わります。ブランドとして使うなら、ここは曖昧にしない方がよいと感じました。
そこで途中からは、Twelfthの正式ロゴ、博士、AI執事「トゥエ」、クライアントのお悩み顔イラストなど、既存素材をこちらから渡し、「この素材を使う」ことを前提に調整しました。
結果として、生成AIにゼロから全部を描かせるよりも、既存のブランド資産とAIのレイアウト提案を組み合わせる方が、圧倒的に安定しました。
STEP 4|修正指示は、普通のデザインレビューとほぼ同じ
実際のやりとりでは、長い完璧なプロンプトを書き続けたわけではありません。むしろ、デザイナーへ赤字を入れる感覚で、短く具体的なフィードバックを繰り返しました。
実際に行った修正指示の例
「下の方をもう少し白ベースにして、すっきりさせる」
「ロゴをもう少し小さくする。タイトルを上に上げたい」
「キャラクターの頭とタイトルを少し離す」
「フォントはLINE SeedやZen Kaku Gothicのような、長体感の少ない雰囲気に」
「お悩みの人物イラストは、こちらから渡した正式素材を使う」
「裏面のプログラム部分は面積を増やし、課題と内容を短く入れる」

この進め方はかなり実務的でした。生成AIだから特別な指示方法が必要というより、良い・悪いを人間が判断し、「何をどう変えたいか」を具体的に返す。その往復で完成度が上がっていきます。
STEP 5|A4のPDFにして、そのままネットプリントへ入稿
デザインが確定した後は、A4サイズのPDFへ変換しました。表面と裏面をそれぞれ1ページのPDFとして用意し、両面版も作成。最終的にA4(210×297mm)のページサイズであることを確認しました。
そして、このPDFを実際にネットプリントへ入稿。別のDTPソフトで作り直すことなく、そのまま入稿まで進めることができました。
生成AIでデザイン案を作るところまではよくありますが、今回は「実際に印刷へ出せるデータにする」ところまで一続きで試せたことが大きかったと思います。
AIは「一発で完成させる道具」ではない
今回の制作を振り返ると、「生成AIにお願いしたらチラシが一瞬で完成した」という感覚ではありません。
むしろ良かったのは、構成案をすぐ比較できること、デザインの方向性を何度も試せること、修正のたびにラフを作り直す時間を大きく減らせることでした。
人間は、何を伝えたいのか、ブランドとして何が正しいのか、どこに違和感があるのかを判断する。生成AIは、その判断をすぐに次の案へ変換する。今回のチラシ制作では、この役割分担がかなり機能しました。
| 生成AIに任せやすかったこと | 人が判断したこと |
| 営業資料からチラシ用に情報を圧縮する | 何を最重要メッセージにするか |
| 複数の構成・レイアウト案を出す | どの方向性がTwelfthらしいか |
| 修正指示を反映したデザイン案を素早く作る | キャラクター・ロゴなど正式素材の選定 |
| 表面と裏面のトーンを揃える | 余白、情報量、フォントの違和感を判断する |
| 完成デザインをPDFなど別形式へ展開する | 最終ページサイズや入稿条件を確認する |
まとめ|営業資料から、実際に配れるチラシまで

今回の流れをまとめると、次のようになります。
- 完成済みの営業資料を生成AIへ渡す
- A4両面向けに情報を再構成する
- 複数の構成案・デザイン案を比較する
- Webサイトや既存ブランド素材を基準にデザインを寄せる
- 赤字修正のような短い指示を重ねて完成度を上げる
- 完成したデザインを固定し、A4 PDFへ変換する
- PDFをそのままネットプリントへ入稿する
生成AIは、デザインを「全部自動化する道具」というより、考える・比べる・直すという制作工程そのものを高速化してくれる存在として使うと、かなり実務に入りやすいと感じます。
前回の営業資料作成から今回のチラシ制作まで、一つの情報を別の媒体へ展開していく流れも、生成AIを使うことでずいぶんスムーズになりました。
今回の制作を通して、生成AIは「デザイン案を出す」だけでなく、構成整理から修正、最終的な印刷データづくりまで活用できることが分かりました。
人が方向性を決め、AIと何度もやり取りしながら仕上げていくことで、アイデアを実際に使える制作物へ落とし込む。そんな新しいデザイン制作の形を、これからも試していきたいと思います。
おまけ
途中で生成AIが提示してくれた表面。
楽しげなイラストでこれはこれでいいかも…

この記事は2026年09月公開の記事です。技術の進化等により一部内容が異なることもございます。



